「大人になったら音楽家になりたい。」
と言った子がいた。私は
「両方にはなれないんだよ。」
と答えた。
うろ覚えですが、チェロ奏者のヨーヨー・マが言っていたことで、重要なポイントを言い当てています。
今回の話の中心はヨーヨー・マではなく、チャーリー・パーカーですが、どちらも歴史的な天才音楽家です。
私はチャーリー・パーカーが好きで、彼のフレージングを練習するのが日課になっているのです。
下の動画は、
チャーリー・パーカーの音楽について
1、具体的に彼は何をやっているのか
2、それを色々な楽器で試す
3、それをどうやって自分の音楽に応用するのか
今回重視するのはこの3点。
当時のチャーリー・パーカーの音楽というのは、それまでに人類が誰も聴いたことがなかった音楽です。
しかし現代では優れた音楽がそれこそ聴ききれないほどあるので、チャーリー・パーカーの音楽は、音質も含めて今ではそれほど大したことがないような音楽に聴こえてしまうのです。
それどころか
「はあ?こんなのが偉人の音楽なの?」
と思ってしまう人もいます。(自分もそうでした)
しかし不思議なことに、ある時突然、チャーリー・パーカーの素晴らしさに気付く時があり、それは本物の芸術の魂に触れてしまった瞬間です。
そしてその瞬間から彼がいかに偉大で不滅の存在であるかが理解でき、その素晴らしさを知らなかった日々に後戻りする事はないのです。
チャーリー・パーカー程の偉人になると、練習音源すらも公開されて何十年も聴き継がれる事となります。
音楽に革命を起こした彼の即興演奏は今もって色褪せる事なくアイデアの源泉となり続けるでしょう。
それこそ楽器は関係なく、ピアノでもサックスでも、エレクトロンでもVolcaでも音楽で即興演奏を目指す人は彼から得られるものがたくさんあるのです。
実はチャーリー・パーカーのフレーズはソニー・スティットなどの特殊な天才を除いて誰も真似する事ができない演奏なのだと言われています。こういう現象について同様のエピソードを持っている音楽家には、ニルヴァーナのカート・コバーンやストレイキャッツのブライアン・セッツァーなど。
カート・コバーンと同じギター、同じエフェクター、同じアンプを持ってしても彼と同じ音を出す事はできないと言われ、まして同じような音楽を奏でる事は不可能らしく、ニルヴァーナの代表曲であるSmells like teen spirit においては、この曲だけはカヴァーしてはならないとまで言われている曲です。
繰り返しになりますが、現代では大した音楽とは思えないように錯覚してしまうチャーリー・パーカーの音楽は、当時は誰も聴いた事がなかったものです。つまり彼はBe-bopと呼ばれる一連の音楽ジャンルの始祖であり、音楽の革命児であるとも言えます。
そしてチャーリー・パーカーのフレーズが記譜出来ても、同様の演奏ができないのならば、練習のポイントは何処にあるのか。視点を変えると、革命児とはどのようなものか、そのフレージングから何が見えてくるのか。ということが重要なポイントとなってくるのです。
無論チャーリー・パーカーも誰かに影響されて誰かを真似ているのです。
しかしそこから唯一無二の即興演奏にたどり着いた原動力とは何だったのか。
私なりに分析してみた結論として、その革命児のフレージングから見えてくるものや、原動力は子供時代であると見ました。
私の場合、チャーリー・パーカーのフレーズを自分で弾いていると心に暖かい火が灯るように感じます。
その感覚に喜びを感じ、さらに練習に没頭するのが日課なのです。
誰しもかつて子供の頃、気の合う仲間に出会った経験があるでしょう。
その時いつまでも一緒に遊んでいたいと思ったはずです。
チャーリー・パーカーの音楽にはその頃に戻してくれる力があるのです。
私はチャーリー・パーカーのフレーズを弾いている時、彼の魂と遊んでいるのです。
いつまでも帰りたくないと思いながら。
コメントをお書きください