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生後5か月のお子さんと一緒に!夫婦で始める音楽レッスン体験記(後半)

前編では、育休中のパパと生後5ヶ月のお子さんと一緒にご来室された奥様が、即興音楽の体験レッスンを始めるまでの様子をご紹介しました。

Hさんは、以前から東京へ理論の学習に行ったり、ジャズなどに興味を持ったりと、非常に探求心が深い方です。すでにご自身で音楽配信もされているということもあり、その探求心はプロ並みです。しかし、作曲に挑戦する中で「難しい」と感じ、音楽の壁に当たっていると吐露されました。

Hさんは「開放的に演奏して、楽しいと思えたときが一番幸せだ」と感じる一方で、ふと「良い曲を作りたい」という意識が頭をよぎり、それが演奏の解放を邪魔してしまうというジレンマも抱えていらっしゃいました。「最終的には、誰が聞いても美しいなと思える音楽を残したい」という切実な願いを抱えての体験レッスンでした。

経験者がぶつかる壁:ジャズの奥深さと「何でもあり?」の疑問

通常30分の体験レッスンですが、奥様の熱意に応え、あらかじめ1時間枠を確保して実施しました。

対話はまず、奥様が興味を持つ分野から。ジャズについて、「7th、9th、11th、13thなどを使うとなると、結局どの音も間違えではないなら何でも良いのか?」という、多くの経験者がぶつかる疑問が投げかけられました。

リョウ先生はそれに対し、「演者がそれをわかって、演奏することが大事」と説明。演奏者がその音を選んだ理由を理解し表現する責任の重要性を伝えました。これは、奥様が抱える「開放と創造」のジレンマに対し、「確かな知識が真の自由につながる」というメッセージでもあったのです。

音楽の壁への処方箋は「バッハ」と「ブルース」

その対話に「やっぱりジャズは難しそう」という奥様の答えが漏れると、リョウ先生は「作曲は他の方法もたくさんあるので、大丈夫ですよ」と、柔軟に道を提示。そして、即興や作曲に欠かせない要素として、ブルース(Blues)の構造と精神について解説しました。

そして、音楽の壁を乗り越えるための本質的な提案として、「バッハの理論(対位法)」を学んでみてはどうか、と促しました。

リョウ先生はバッハを「まるで音の建築というイメージ」「まるで宇宙のことも知っているかのように、普遍的な美しさを持っている」と説明。この緻密な構造を知ることが、自由な発想の確固たる土台になることを伝えました。

 

 

覚悟を決めるための、密な対話

まとめ

Hさんは、この高度な「対位法」がご自身の課題解決の鍵になると感じた一方で、「難しいことから逃げてしまう」という自覚もあり、「この学習を学び続けられるかどうか」を特に気にされていました。

R先生の指導は、技術論に留まりません。奥様が抱える「開放したいのに、頭で考えてしまい演奏が固くなる」というジレンマに対し、リョウ先生は独自のテキストを案内し、力を抜く方法やメンタルの部分も非常に大事であることを教授しました。具体的には、瞑想などを推奨し、技術と精神の両面から演奏を支えるアプローチを提案。奥様の音楽に対する真摯な姿勢と、逃げたくなる自分との葛藤に、深く寄り添いました。

奥様はさらに、「平均律の分析はありますか?」など具体的な学習内容の深掘りを望む質問を投げかけ、R先生もそれに対し密に相談に乗る形で対話を続けました。

この1時間の体験レッスンは、奥様の「難しいことへの覚悟」を後押しする時間となりました。結果として、奥様はリョウ先生と二人三脚で音楽の壁を乗り越える覚悟を決められ、受講へと進む方向となりました。(リョウ先生が「ビル・エヴァンスはお好きですか?」と尋ねた際、奥様は大きく頷いていらっしゃいました。)